4月末日、某所にて。






ガチャ


「はよース!」
「よ!」
「これで4人目か…」
「まぁ、座れば?」
「お、ども。」
「てかよー、何の集まりなんだ、コレ。」
「おい、来て早々菓子頬張ったヤツが言う台詞か…?」
「だってきっちり用意してあるし。食えるモンは食っとこうぜ。」
「あのなぁ…」
「そうだ。今日のことについては、姫君からメッセージが届いてるよ。」
「え、姫君ってアイツ?」



《みんなの誕生日個々に祝いたかったんだけど無理だったから、集まって座談会でもやって下さい(はぁと》




「…って!!これ管理人だろう!!!!」
「それが姫君の望みだよってさ。姫君の望み、イコールメッセージで良いだろ?」
「そもそも何でヒノエがコレ持ってきたんだよ。」
「野暮だな、俺が姫君たちに人気があるからに決まってるだろ?」
「うわ言い切った…」
「いっそすがすがしいな。」
「そう言いますけど、このサイトの古株は俺なんスからね!!」
「山本…でもお前、こん中じゃ一番年下じゃん。」
「10年後にしたら誰よりも上ッスよ!」
「それでも翡翠や友雅殿には及ばないけどな。」
「へー、意外とおっさんなんだなアイツら。…あ、話それた。
 つまり、ここに居る4人は全員4月生まれってことだな。」
「ふぅん…どうせなら、姫君も呼んで欲しかったね。野郎だけだなんて、何が楽しいんだか。」
「つべこべ言ってる場合じゃないだろ?俺だって本当はアイツと…!」
「ちゃっかり言ってんじゃん。」
「俺は普段から周りが大男ばっかなんだよ。」
「俺らだって部活部活で周りは野郎しか居ないぜ?」
ぶかつ…?
「まあまあ、早く始めれば早く終わるし、アイツも喜んでくれるんだから良いじゃないスか?」
「それもそうだな。じゃ、始めるか。」
「うぃーす」








《4月組座談会》






ズドドドドドド…バァン!!


「ちょお待ってぇな!!何で先に始めてまうん!?」
「あ、大阪のチビ猿。」
「お前も4月生まれなのか?」
「ワイの誕生日は4月1日!エイプリルフールやで!!」
「俺と一緒かよ…」
「遠山金太郎言いますねん!よろしゅうよろしゅう!」
「そう言えばお互いまだ名乗っても居ないんスねー、俺達。」
「俺は白石蔵ノ介や。」
「白石!?いつの間に…!!」
「自分らが金ちゃんに気ぃ取られてる間にな。」
「ふぅん、なかなかやるね。俺はヒノエ。」
「平勝真だ。」
「山本武だぜ!」
「んで、俺が丸井ブン太。シクヨロ。」
「じゃあ指令書に従ってちゃっちゃと進めるよ。」






《まずは軽く自己紹介でも》


「……。これもう終わっちゃったじゃん。」
「ヒノエが出すの遅いからだろー」
「山本が勝手に話を進めたからだろ?」
「オイ、他人に押しつけるなよ!」
「押しつけてなんかないさ。」
「なんや賑やかやな。ワイも混ぜてー!」

「初っ端から噛み合ってへんし…」
「何か、改めて見るとすげぇ集団ッスねー。」
「頭赤いんが3人も居るな…黒は山本君だけやん。濃いメンツやなぁ。」
「おーい、もめてないで次行きますよー」






《友人・仲間内にどのように祝ってもらいましたか?》


「うちの学校は決まってんねん。
 誕生日のヤツぎょーさん笑かしたるんや。」
「小春と一氏のコント、めっちゃおもろかったでー。」
「俺んトコは部室で練習終わりにパーティだな。ケーキ超旨かった!」
「ふぅん、それはそれは。」
「羨ましい限りだぜ。」
「何かあったのかよ?」
「俺は…何故か脇をがっちり八葉に固められて姫君から最も遠い席でお祝いして頂いたよ?」
「…あー」
「まぁアイツの隣は許されねぇけど、それはちょっと…。」
「ご愁傷様やな。」
「それならまだ良いだろ。俺なんて…」
「何やの?勝真の兄ちゃん。」
「みんなが宴を開いてくれたんだが…まぁ想像通りと言うか何と言うか…酔って暴れ始めてな。」
「アンタが?」
「違う!その方がまだマシだ。いや、マシではないが…
 八葉の連中と、星の一族が、だ。
 飲み馴れてる翡翠は良いとして、泉水殿が泣くわイサトが怒るわ頼忠が暴れるわ幸鷹殿が物壊すわ泰継が甘えるわ…片付けが散々だったぜ。」
うわー…
「(アカン、不憫すぎる…)や、山本君は?」
「俺ッスか?俺は野球部の連中と友達に普通に祝ってもらいましたよ。」
「さ、さよか…。」
「良かったじゃん。」
「仲良しでええなぁ!」
「特に友達とやったヤツとか面白かったぜー!
 ナイフ投げとかロシアンルーレットとか猛獣芸とか、色々あって。」
は?
「ボンゴリアンバースデイパーティって言って、マフィアごっこのメンバーでやる変わった遊びなんスよ。
 誕生日の俺が出し物の採点するんスけど、これがまた難しくて…!」
「へぇー!ワイも見たいわぁ。」




((((コイツ、まともそうに見えて実は一番あぶねぇ…!))))








《では、大好きなあの子は何かしてくれましたか?》




「うわっ」
「また辛辣な…!」
「はい、今の二人は何も無かったってことね。」
「うるせぇ、そういうお前はどうなんだよヒノエ。」
「俺かい?俺は…内緒だよ。」
「無かったんやな。」
「なーなー、ワイ、ぎゅーってしてもろて、おまけにほっぺにちゅうやで!」
「…それ、アイツに?」
「うん!ええやろー」


ガタンガタン!


「な、何や、いきなり立ち上がって!」
「金ちゃん抜け駆けはアカンで!」
「待て!俺が先だ!」
「お前たちはゆっくりお茶してから来なよ。」
「やなこった!」
「えー、みんな行くんならワイもー」
お前は来んな!!
「何でやー…!」
「じゃ、お先!」
「あ、テメこのヤロ、山本!!」


バタバタバタ、バタン!





「ったく、まだ指令終わってないってのに…」








タタタタタ…ガチャ




「4月生まれの集まりってコレか!?」
「天真…!?そういえばお前、生まれは卯月だったか?」
「2日だ!」
「そうか。」
「で、何で勝真しか居ないんだ?まだ集まってないのか?」
「…あー…いや、来たところなのに悪いが、他のメンバーはアイツのところに行っちまった。」
「マジかよ!?…勝真、アンタは良いのか?」
「…ああ。片付け、しない訳にいかないだろ。」
「…勝真…!」
「それに。」
「?」
「俺は先約済みだからな。」
「は?」
「だから…その。個別でアイツに祝ってもらう約束をした。」


「…こンの裏切り者ォォォオ!!」





Happy Birthday!! April 1 Hinoe,Kintaroh.T 2 Tenma.M 14 Kuranosuke.S 18 Katsuzane.T 20 Bunta.M 24 Takeshi.Y retern あとがき