クリスマス。
枕元にプレゼントを楽しみにするには私たちは大きくなりすぎた15歳の冬。




「ブンちゃんさー、おとーと居るじゃん。」
「ん?あぁ、うん。」
「サンタさん制度どうしてるん?」
「あ、あぁ。そりゃ流石に貰ってねぇよ。
 プレゼントは俺だけ高価なの貰って穴埋めしてっけどな。」


朝一番の私の下らない質問にも、ヘヘと笑って答えてくれる。
優しいな、ブンちゃんは。と思いながらそれに甘えてまた質問する。


「言い訳どうしたの?」


こう尋ねるとブン太は更にニィっと笑って、


「『兄ちゃんは、この天才的能力の更なる向上と、ねーちゃんと一緒に居るケンリを貰った』って言ったけど。」


あ、ねーちゃんってお前ね、なんて言ってきた。

嬉しさと照れとで一気に顔が熱くなる。
際立った冷気が頬に刺さる感じがした。


「わっかってるよバカ!」


照れて言い返すと「こわっ!」と大袈裟に反応して、それから満足気に私の頭を撫でた。



「そしたらアイツらさ、ねーちゃん連れてこい!だって。」
「わ、嬉しいかも。」


実はまだブンちゃんのご家族には会ったことが無い。(って言うと何か違う意味も含まれるけど)
会いたがってくれてるなんて幸せじゃないか。

思わず頬を弛めると、今度はぶすっとした表情になるブン太。


「バカ言うなよ。今日って言い張ったんだぜ?」
「行っても良いよ?」


今日は部活午前終わりだし、と付け足すとブンブンと首を横に振った。


「だーめだって言ってんだろ!
 今日はそのケンリが保証される第一日目なんだから!」



俺がきっちり堪能するんだよ、




そう叫びながら半ば強引に重ねられた唇は、冷たくて熱くて火傷しそうだった。





俺の権利





080118 ブンちゃんの弟は8歳と5歳。 つまり夢を壊しちゃいけない訳で。 素晴らしいトンチですね。(トンチか? 切り替えしの方が正しいのか? てか年越したぜ狭霧さん!笑