判って欲しかったのは、“君と”が大事だったってこと。
あんなにぐるぐる悩んでたくせに、結局はそれだけなのかもしれない。



中学で部活に入ってからも、やめることは無かったテニスクラブ。
理由はいつでもテニスが出来ることと、テニス部に入らなかったが籍を置いていたから。


そんなが急に引っ越すことになったのは2年の終わり。
学校は変わらず立海だけど、テニスクラブはやめなくちゃいけなくなった。


「たまに遊びに来るから、ブン太頑張ってね」と彼女は笑ったのに、

「お前がいないなら二度と行かない」

なんて、我ながら馬鹿馬鹿しいことを言った。
君、ひとえに君とが良かったんだって、それが伝えたかっただけなのに。




パチン、頬を叩いて猛ダッシュ。
なりふり構ってられるかよ、一緒を大事にし過ぎて“お前”が居なくなったら意味無いんだって気付いたから。

傷つけたまんまで引っ越しで、クラス替えして離れたら、きっともう君とは一緒に居られない。
そんなの、もっとイヤだ。








教室でぼんやりしている彼女の名を呼ぶ。
唖然とした顔に、ごめんを叫ぶ。


「お前とが、良かったんだ」


      笑うなよ、


「お前とだから好きだったんだ。」


        笑ってくれよ。


「知ってたよ。」



―畜生、泣かすなよ。



「ブン太、ありがとう。」




ふにゃりと笑った彼女が愛しくてたまらない。
鼻先にツンとした痛みを感じながら、抱きしめた温もりは大丈夫だよって伝えてるみたいだった。





080419 おセンチなんですよ、まるいくんだって。 これ10月くらいに書き始めてたんですが、何だろうねぇ、青臭いってか、うん。 まぁ仲直り出来て良かったってことで!