張り裂けそうって、こういう時に使うんだなって思った。








「…!?」

先輩はやっぱり驚いた顔をして。
しくじったなぁなんて頭の傍らでどこか冷めてる自分が思ったけど、それでも大部分は先輩の事で。








「ねぇ、。もう一回言って?
俺の事、どう思ってるか。」
「…それは何ですか…新手のイジメですか…?」
「違う違う。」


そう言って先輩は―今度は私もそう思える位優しく―ポンポンって、頭を撫でた。

「聞きたいんだ。ダメ?」

そんな顔でお願いされたら困ってしまう。







「…なんて。狡いな、俺。



 やっぱりまだ言わないで。先に俺の言葉を聞いて?」
「…やだ…」
「ダメ。
 あーもー、泣くなって。



 ね、。俺達さ、去年は全然喋んなかったよな?
お前は海堂と仲良かったし、俺は大石とダブルス祭だったし。」

先輩はポツリポツリと昔の話をし始めた。
優しい、柔らかい声で。

「けど、マネの先輩が引退して、と桃が仲良くなってさ。関わる様になったよね?」

桃と仲良くなったのは、秋だった。
薫と仲が良い私には、なかなか近づけなかったらしい。

そこからだった。
初めてバカ話した日も、ちゃんと覚えてる。


「こんにちはって笑ってるを見るのがすごく嬉しくて、引退した後も変わらない優しい空気が心地良くて。
最初はきっと無に近い位だったけど、今俺は君が居なきゃダメで。







 大好き、なんだ。」




耳を疑った。
嘘だと思った。

けど、先輩の顔にはそんな様子見当たらなくて。




どうしよ、嬉しい。






「私は、1年の時から英二先輩の事見てましたよ。」
「ウソ!?」
「ウソついてどうするんですか…?」
「だって喋んなかったじゃん!!」
「何喋っていいか判んないじゃないですか。
先輩気まぐれだし、子供っぽいくせに子供扱いすると怒るし、…女の子は、喋れなかったりするんですよ。」

そう、そんな勇気私には無かった。


「だから2年になって先輩と喋れて嬉しくて。難だったら薫に聞いて下さい。」












「じゃあ、さ。両想いって…感じ?」
「先輩がそう、なら。」
「…そっか…」



「ッよっしゃあッッ!!」

突然の雄叫びに、大変誠にほんとにびっくりした。

「ほんとに?ほんとにほんとにほんと?」
「…はい。」
「俺が彼氏で、いいの?」
「こんな号泣しといて、イヤだなんて言うと思いますか。」
「思わない」
「だから、先輩が、好きって、言ったじゃないですか。」





「じゃあ…付き合って、下さい。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」




「よっしゃあぁぁ!見せつけに行ってやろうぜアイツらに!」
「うぇぇ、何でですか!?」
「さいっっこうにハッピーだから〜」





空はさっき見上げた時と同じ様に青くて、
だけどさっきと違って私の心は、それと同じ位晴れ渡っていた。






海堂スキスキ期間だったから海堂が幼馴染なんですね。多分。 というか、2年大好き期間ですね。 英二が良かったらしいです。 (2007/04/04)