「山本先輩ちぃース」
「お、直樹、はよ!」
「俺も居ますよ!!」
「判ってるって優太。」


武はにっこりと笑うと、“優太”と言う子の頭をガシガシと撫でる。



教室前で繰り広げられていたそんな光景に、私は朝から思わず見入ってしまった。









「たけしって、先輩なんだねー…」


お昼ご飯をもそもそと食べて、ぼんやりした思考そのままを武に投げかけた。
もちろん、山本さん家の武君はびっくりしてる。


「どーした、急に。」
「いや、何か後輩居るイメージ無いから。」
「普通に居るぜー?」
「…うん、」
「何か不満、とか?」
「全然。」


元々ぶつけただけでそれ以上何も無かったので、ただ淡々と返事をする私に、武は首を傾げる。


“ちょっとかっこよかったかもしんない”
なんて、心の内でも照れてまっすぐな言葉にならないのに、言えっこないじゃないか。





「やまもとせんぱい。」
「え?」
「やまもとせんぱい。」


私は返事をはぐらかしてニヤニヤ笑う。
相変わらず混乱してる武君は放って。


「?」
「へへー。」


転がす名前は口にも耳にも馴染まない。


何だかね、新しい君を見つけた気がして、嬉しかったんだ。




つまり何が言いたいかって?



「結局武が好きってことだよね!」
「うるせぇノロケは余所でやれ!!」


我慢しきれず言ってしまった私に対して思い切り叫んだ獄寺君に、あ、居たんだってようやく気付いたような、そんな感じなんだよ武。
沢田君もごめんね、私ってば空気読めなくて。


だけど、それすら面白くて新鮮で。



ふわふわと気持ち良い昼下がり。








新しい君に、こんにちは。

















5000打ありがとうございます!
まさかまさかの5000打なので、非常にうれしいです。これも来てくださる方々のおかげです!!!!!
遅くなりましたが、5000打記念にフリー夢を書きました!
お相手は復活の武君です。ちなみに後輩の名前は適当につけました。捏造です。

これからもFlying Toyは自由奔放に続けていきますので、息抜きにでもふらっと足をお運び頂ければ幸いです。


Flying Toy  狭霧朋真



※お持ち帰り下さるという方がいらっしゃいましたら、Flying Toyの狭霧が書いたよ、的な表記をすみっこにでも願いします。
※配布期間は1ヶ月くらい。

※配布終了しました