2:ダウト(骸)



「ダウト」

「…」

凛とした声が言う。


私は疑う
と。




「ダウトですよ。」
「何でかな。」


確かに大当たりだ。
だけど目の前のトランプの山を見て、素直に認める訳にはいかない。
全て頂いたら、私が上がれる確率は0だ。


「は判りにくいから、判りやすいんです。」


意味が判らない。
何でかな、私かなり普通に振る舞ったのに。

…やだ。
あの山を貰うのは、嫌。

トランプをめくれずに上に手だけ置いて固まっていた。






そんな時、隣に居た千種から紙が回って来た。
なぐり書きしてあるのは、きっと今一瞬で書いたからだろう。

何、骸さんの疑いを…そらす方法?


え、マジで…?!
すげぇ柿ピ大好きだよ!!

千種に感謝の眼差しを向ける。
少し会釈を返してくれた。(と思う

よっしゃいちかばちか…


「…あたしを、疑うの?」

切なげに、少し上目遣い気味に。(とも書いてあった

「?」

え、と驚いた顔。

「…骸は、私を信じてくれない…?」
「どうしたんです?」

ヤだけど本当は言いたかないけど

「私は、」

あの山は…

「貴方だけを」

絶対…


「信じて…」


いらない!!


「あい…し、



って何だっつのコレ!!何言わせんの柿ピ!」


無理、こんなん。


「自分で言ったんじゃん…。」
「あはは自爆〜」
「だって柿ピーが!!」
「俺じゃない。メールを写しただけ。」
「え。」


すっと指指した先に


「ズルはいけませんよ。」
「お ま え か 。」


ぱっと見爽やかな骸。

この野郎演技派気取りやがって。


通りで変な指示が書いてある訳だ。
多少変だとは思っていたけど。



というか…判っててやらせる辺りがほんとにうざい。




「…むかつく。」
「続きを、言ってくれたらチャラにしてもいいですよ?」
「え?」
「この山、取らなくてもいいし僕もダウトと言いません。」
「…良いわけ?」
「はい。言ってくれれば、ですけど?」


骸はじりじりと、私に近付いてくる。
口には美しい笑みをたたえ、おまけにこんな言葉をつけて。



「もちろんそれは、嘘偽り無く。」





―僕が疑う余地が無いほどに。





06/12/09 戻る スランプ期からのっそり起き上がろうとしています。多少…。 山本が書けないんでっす!!(うわぁお 骸がダウト一番似合いそうだったので。 柿ピがやたらでてくるのは最近の私の愛のベクトルです。