4:王様ゲーム



「王様ゲーム。やるよ。」

雲雀の口から、思わぬ単語が出てきた。

「うん、二人だよ?」

ルール知らないんじゃないかと思う、雲雀は。
アレは最低でも5人位でやらなきゃ楽しくない。

「やるよ。」


…聞きゃあしねぇのはいつもの事ですね。


「くじは?」

そしていつも折れるのは私。


「何。君、王様やる気なの。」
「は?」

しかも何おっしゃられますかこの人。

「が王様になれると思ってるの。」



えーと、待て落ち着け。整理しろ?

王様ゲーム
↓
しかも2人
↓
くじ引きは無し
↓
君が王様になれると思ってるの?
↓↓
王様=雲雀。



「つまり私は命令され続けろって こ と ?」
「うん。良く判ったね、偉い偉い。」
「いや、意味判んないって。これサドなゲームじゃないんだよ?」

これは雲雀様の様な人の為にある訳では無く、
主に合コンとかに使われる、ちょっといや〜んな展開も有るよ!
っていうゲームなんだけど。


「でも無意味にいう事聞いてる側って、Mじゃないの。」
「それはそういうルールのそういうゲームだからね!?」


どういう解釈ですか、本当に。
雲雀は本気っぽいから怖いよ。


「じゃあそういう事なんだよ。
…王様の命令。」
「だからぁ」


聞けよ!
そう叫ぼうとしたのに口は片手で覆われて、手はぎゅっと掴まれて、そしてしっかりと目つめられて。



雲雀の声だけが響いた。



「王様の命令。
一生そばに居ろ。」





雲雀は言い終わるとパッと私から離れて、そっぽを向いた。



「…少し命令が壮大すぎだよ?」

火照った頬を両手で押さえる。

「命令だから。」

雲雀は一点張り。
…素直じゃないなぁ。



「命令ってさ、多少拒否権もあるんだよ。」

少し意地悪しようとすると、

「無いよ、君には。」

なんとも横暴な言葉が出る。
それが照れ隠しなのは判ってる。


「絶対王政ですか。」

可愛いなぁなんて口が裂けても言えないわ、と思いつつ、苦笑して聞いた。

「まぁはしもべじゃなくて、伴侶だけど。

逆らうなら、容赦しないよ。
…どうする?」




「雲雀、バカだなぁ。」



そんなの決まってる。




断りっこ無いじゃない。






06/12/09 戻る 王様ゲームにかこつけて好きって気持ちを言うって何か良いなぁ、とか。 ぁー、小学生の頃流行ったなぁ…王様ゲーム。 何で流行ったんだろ。マセガキだらけだったのかしら。 ちなみにうちのグループは手を繋ぐとかヌルイ感じでしたが、他グループはラッ プちゅーとかやってたらしいですよ。 みんな勇者だな…