「さん!」 「ごめ…なさ…っ」 壁に寄りかかっている長身の彼は、私を見つけるなりこちらに駆け寄って来た。 安堵と、苛立ちを顔に浮かべながら。 今日は部活がお休みだから、久々のデートになる予定だった。 それに1時間も遅刻、そりゃ誰だって怒りますよ。 走ったって頑張ったって、遅刻は遅刻。 「心配した。」 「…うん。」 「電話、出ないし。メールも返ってこないから。」 連絡もしなかったんだから怒って良いのに、ヒカルは無言で理由を尋ねただけ。 彼らしいと言えばそうだけど、とても心苦しかった。 「おばあさんに、道教えてて。 一緒についてたら戻ってくるの遅くなっちゃった…」 大人しく理由を話したけど、判ってる、こんなん言い訳にもならないって。 電話ほっぽって必死になったのはどう考えたってあたしが悪い。 連絡一つで済む話、だったのに。 「申し訳…無い…です。」 顔見れない… 胃のあたりがぎゅってなる。 私だってやられたら、いやなのに。 待っている間の彼を思うと胸も締め付けられるみたいに痛くて、唇を噛みしめてうつむいた。 「申し訳ナイスなのでよろしいッス」 厳しい言葉を覚悟していたのに、ヒカルの口からはいつものダジャレ。 ばっと顔を上げると、優しく笑う彼と目が合う。 「え、だって、」 「偉い偉い。」 「ヒカル、待たせたんだよ?」 「心配しただけ、大丈夫。」 何を言っても優しい言葉が返ってくる。 加えてポンポンと頭を撫でるヒカルの手が、ヒカルが、あったかくて、涙腺が決壊したみたいに雫が地面に落ちていく。 「さん?ねぇ、泣かないで。」 しばらくすると、ヒカルがそれに気付いてオロオロし始めた。 困った挙げ句なのか、戸惑った様子でぎこちなく抱きしめてくるもんだから余計悪化しちゃって、私が泣き止むのにまた時間を労してしまった。 不器用なあたたかさ 「でも、やっぱり連絡はしてね」と言われたのは帰り際。
080523 戻 うちのダビデ君は可愛い系なんだぜ! かっこいいダビデが居ないよ何でかな!! まぁそれもアリですよね。 そしてダビデは年上ヒロインな感じ。 ダビデはすごく良い子だと思います。 六角っ子みんな可愛い!