並盛駅の改札で待ち合わせ。

ハンドバッグ一つの身軽さでホームへ降り立てば、そこには本来通るはずのない新幹線が、でんと存在を主張していた。

大きな揺れもないそれは最新型だと思う。



不審に思いつつもひばりくんに促されるまま乗り込めば、乗客者は0。


「好きなところに座って良いよ」


とあっさり仰るんだから言葉も出ない。

主要な駅も止まることなく景色として流れていくのみ。

切符の確認や、販売員のお姉さんはいつ来るんだろうか。



ひばりくんに聞いたら


「群れはキライ」


と一言あったので、それ以上は何も聞かないことにした。








ひばりくんがどこからか持ってきてくれた駅弁は、すごく美味しかったです。













「すごいね!珍しいモノがいっぱい!」


はじめて降りたった京都は、同じ国なのに異彩を放っていて、すべてが美しかった。


「ちょっと、恥ずかしいからあんまりはしゃがないで。」

「だってすごいよ、みんなきれい!」

「…」


スキップの如く軽やかに先を行く私に、ひばりくんは呆れ顔。

だけどちゃんと付き合ってくれて、小間物屋さんでは簪を選んでくれたし、抹茶ソフトは二人ではんぶんこ。

寺社巡りの時は手を繋いだ。


お土産屋さんで生八ツ橋をたくさん買っていたひばりくんは、すごく可愛いとおもう。
















「これで修学旅行先取りだね!友達に案内できちゃうよ!」


帰りの新幹線、やっぱりがらんとした車内に二人きりで、今日という日を語る。

自慢出来る一日に私はすっかりご機嫌だったんだけど、ひばりくんはムスッと口を尖らせた。


「だめに決まってるでしょ。」

「へ?」


思いも寄らない一言に首を傾げる。

すると、ひばりくんのきれいな目が私に向いた。


「僕とまわる気ないの?今日とは違う場所、行きたいんだけど。」

「…うんっ行く!」








キラキラな思い出に、素敵な言葉までもらって。






ひばりくんとなら、退屈なんてありえない修学旅行になりそうだ。








きみといっしょに









(でもちょっとはまわらせてね?)

(…)

(ね?)

(…仕方ないな。)




















半年どころかさらに一年経ってましt(殴
よ…ようやく終わりました。いつまで京都気分だったんだ自分。
今じゃ約3倍のカウントです。本当にありがとうございます…!!
待ってくださっていた素敵な方、いらっしゃいましたら本当にすみません。お待たせいたしました。

久々に雲雀さん書いたらほのぼのしました。マイナスイオンだ…

旅はようやく終焉のお時間です。
また何か企画頑張れればいいなと思いつつ、今は夢路に。

081017