雲雀さんはさっきからずっと黙りっぱなしで、だけど私から目は外さない。

鋭い眼光と沈黙に耐えかねて口を開くと、首筋に硬質で冷たい金属が触れた。


「ひばりさん、どしたの?」


何が起きてるのか判らない、
苦しい、息が上手く出来ない。
首で存在を主張するのは言うまでもなく雲雀さんのトンファーだ。


「怖い、僕が?」


私の様子を見てか、薄い笑みを浮かべる彼。

回答に少し迷ったのは、怖くないって言うときっと嘘になるから。
何を考えてるのか判らない
どうされるのかも判らない

だけど


「怖く、ない…」


そんな顔で脅されても、怖くない。
揺れる瞳にぶつかる。今にも泣きそうだよ。


「じゃあ何が怖いの」


淡々と、冷たい声が降ってくる。

悪魔のフリして、本当は優しい貴方。
私のためなんだよね。
おかしいって、ちゃんと気付いてくれてたんだ。


「ねぇ、怖いの?」


尚も言葉を重ねる彼の頬に触れる。

雲雀さんって、きれいに泣くんだね。

そう告げたらきっと怒られてしまうだろう。


だから、ねぇ雲雀さん、壊れそうな気持ちを受け止めてくれますか?



限界が近いって、私より先に判ってた




080112 意外に狂気にならなかった…笑 ほぼ同時に書き始めたんですけどね、割に行けますね。 最近自分でもよくわからないジャンル開拓中です。