「ちょうイタイ…」

さんは、部室に入ってくるなり死にそうな声で呟いた。


「何がー?」
「そんなに痛いの?大丈夫なのね?」

きょとんとした剣太郎と、眉をハの字にするいっちゃん。

「違う、腸が痛い。veryじゃなくてココ。」

さんはそう言って、気だるそうにお腹の部分を指さした。

「腸が超痛い…やるなさん。」
「このダビデが!アホか!」
「バカ言ってないで労ってやりなよ。」

そんなこと言われても具体的にどうしろって言うんだろ。

「ダビデにさすってもらいな、。」
「えっ…?」
「おー、そうだな!」
「ちょっ!」

何か、流されてるし。

「ダビデ…」

さんまでそんな目で見ないで欲しい。
ただでさえさっきから、行け、やれ、男だろ、と言ったバネさん達の視線に刺されているってのに。

「…うぃ」

少し赤くなっているであろう顔を隠しながら、小さくうなずく外無かった。








「さん、変わった言い方、するよね。」
「そう?」
「普通、お腹痛いって、言う…」

恥ずかしいながら、後ろから抱きしめて彼女のお腹をさする。
さん良い匂いがするし、腕にすっぽり納まるし、柔らかいしで変な気を起こしそう…ってダメだ。
俺にダメージが大きい。





「わざとだよ。」
「え?」
「ああ言えば、ダビデが構ってくれると思った、から。」

うとうと、重くなるまぶたにあらがわず、素直に従いながら。


「ごめん寝るわ…ありがとね、ヒカル。」



その言葉に至った訳と、笑った顔の可愛さと、不意につぶやかれた名前と。



「ズルい…」


男は馬鹿なんだから、こんな風に言われたら期待するよ?


“腸が痛くて超ハッピー”はさすがに寒すぎるな、と思いながら、さんの頭をそっと撫でた。



計画的言動






070923 書けた!30分で8割書けた! 旅行に行く道すがら、一人で退屈だったので書き連ねて帰ってから修正しました。 久々の怪我病ネタだと気付いたのはついさっき。 最近、私の考える男の子たちが女々しい。 というか、攻めヒロイン…なのか? ダビデはかっこ可愛いキャラなんです、私の中では。 癒し系でいや失敬 (これ天才的だよ汐崎さん。笑 まさにそんな感じです。