私と丸井は確信していた。

このままじゃ殺られる。
と。



二人は (後編)



仁王はもうそれこそ本物の仁王像みたいな顔して私達を睨む。


「ちょお待てにおっ」
、俺が嫌いになったんか?」

聞く耳持ちません。

「ねぇ、仁王怖いってば…」
「これで冷静でいられる男がおったら見てみたいもんじゃ。」

めっちゃシリアスです。








ぶふーぅっ



「も、もう無理仁王タンマっ…」
「俺も勘弁っ」


「は?」

駄目押し一言。



臨界点突破


「ぎゃはははははは!!」
「アハハハハハハハハハハハっ!!」


笑いが止まりません。


「な、なん…?」
「あぁもぅ仁王喋るなっ!!」

困惑してる仁王なんかお構いなしだ。







プリキュアってしってる?」

漸く笑いが収まったので、事の次第を仁王に話すに至った。

「名前位は知っとるが…」

相変わらず困惑気味の仁王(哀れだ…

「昨日ね、クラスの子達とカラオケに行って、ふざけ半分で入れてみたの。」
「そしたら画面に
プリッキュア プリッキュア』って出てな…」

私と丸井が交互に喋る。
仁王は怪訝な顔して聞いてる。

「仁王が『プリッ』て言うのと重ねちゃって」


仁王プリキュア☆マックスハート
に発展した訳で」


昨日なんて呼吸困難になりかけたんだから。ジュースで噎せるし喋れないし友達 ドン引きだし…もぅ生きて帰れないかと思ったほどです。

「今日仁王やたら言うからもう耐えらんなくって。
ただでさえ妄想の所為で顔も見れないのに…」


「「つまり仁王のマックス勘違い。」」
マックスハートなだけに。





「何じゃ…ビックリさせるなよ…」

うわ、へたれたよ仁王が。
あのサド仁王が。



「ごめんね仁王マックスハートで…」

笑いすぎて、私もまだちょっと混乱してるけど。


「嫌いになる訳ないじゃない。」








いやぁでもわだかまりが解けて良かったね!!
これで普通に部活が…


「プリッ」

ぶふッ


通り過ぎ様、仁王がそれだけをつぶやいた。
条件反射で私は吹き出す。

「に、おう?」
「プリッ」

仁王はとてつもなく意地悪い顔で、笑った。


「やめてぇ〜仁王やめてぇ〜」


仁王の逆襲。


が丸井なんかとカラオケ行くからのぅ。
…プリッ」

何だコイツ拗ねてるぞ。
いや、それは多少嬉しいよ、うん。



「だからって連呼スルナァァァァ!!!」



それからしばらく、仁王の攻撃は止む事はありませんでした。



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若干実話。
夏休みにカラオケ行ってホントにニヤニヤしてた。(危
みなさんも入れてみると楽しくて涙出ますよ。

ちなみに題名の『二人は』の後には例の題名が入ります。



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