被害報告出しても良いですか? 先生、最近右斜め後ろに座っている詐欺師に消しゴムをぶつけられます。 ほら今日も。 「ちょっ何すんの!?」 「プリッ。お前さんが居眠りしとるから起こしてやってるんじゃ。」 「サイズが日に日にデカくなってるから!!」 カケラ程度だった消しゴムは、今では1/4サイズになっている。 地味に痛いのよ、コレ。 「任せときんしゃい。当てんのは上手いぜよ。」 「意味判んないし!」 こう言うと絶対「棚上げじゃ」と言われるけど、別に居眠りしてるのは私だけじゃない。 なのに仁王の右斜め前に座っているジャッカルには1度も投げたことは無い。 だからこそ意味が判らない。 悔しいからもう寝るもんかと固く誓ったけど、ムリなものはムリ。 都合良く、右斜め後ろの詐欺師も伏せてる。 よし大丈夫だと思ってうつらうつらとしかけた頃、コンッとあたる1/2サイズになった消しゴム。 本当に何個ムダにする気だ。資源は大事にするべきでしょうが。 机に転がる哀れな半分。引きちぎられちゃってかわいそうに。 だけどよく見ると、その消しゴムには側面に黒い油性ペンで と私の名前が書いてあって。 何かと思って振り返ると、前向け、と目で合図された。 ポンッと、今度は私の机の上に乗る2つめ。 が とひらがな一文字。 “ が”? 考える前に3つめ、4つめも続いてくる。 カタカナで ス と キ がスキ 消しゴム2個分の告白は、ひねくれ者の彼らしくて。 またチラッと後ろを向くと、なんて事でしょう、あの詐欺師が顔を赤くしてそっぽ向きましたよ。 私は声に出す代わりに自分の消しゴムを半分に折って、後ろ2つ分の言葉をそのまま真似して投げ返した。 仁王はそれをしっかりキャッチすると、満足そうに微笑んだ。 070825 戻 元忍足ネタ。笑 何故かクラスメイトをジャッカルにしてしまった…