「お前さん、誕生日いつ?」 そう聞かれたのこそいつだっただろう。 実はその日が、今日だったりするんだけど。 「覚えてる…訳、無いか。」 意味もなく新着メールを問い合わせて、そのたびにため息をつく。 相手は天下のテニス部様だ。期待なんて、するんじゃなかったな。 時間はもう夜の11時を少しすぎたところ。 明日も学校だし、早く寝ないといけない。 もう期待するのはよそう。 何とかして自己暗示をして明日の準備を始める。 携帯は、視界に入れないようにして。 だけど、準備なんて10分もあれば余裕で終わる。 パジャマに着替えたり歯を磨いたりと、眠る前にすべき事も着々となくなっていく。 結局期待しちゃってる。 ダメだなぁ。 そもそも期待なんてものはこっちが勝手にしているだけなんだから、私が怒ったり悲しんだりするのは筋違いだ。 頭では判ってるんだけど。 「うまくいかないなぁ…」 近くにあったクッションを抱きしめて寝転がる。 あ、独り言多いとハゲるってほんとかな。 だんだん思考回路が壊れてきてくだらない事考えてたら、不意に、バイブ音が鳴り始めて。 目が回るくらい慌てて携帯を開くと、それはまさかの彼から。 仁王雅治 件:遅れてスマン ―――――――――――――――― スマン、あと30分も無いけど。 生まれてきてくれてありがとう たった数行のそのメール、時刻は11時36分。 「ずるくない、それ…!」 思わず携帯に向かって叫んでしまう。 メールがきた嬉しさ、メッセージの嬉しさに顔がにやける。 やばい。やばいって。 「姉ちゃん、どうしたの?…キモイよ。」 たまたま部屋に入ってきた妹の言葉も気にならない。 今日は良く眠れそうだ。 深呼吸してもう一度メールを開いて、体中に言葉を染み込ませてから布団に潜り込んだ。 残り24分の幸せ (俺のこと考えてて欲しかったって、言われたのは次の日。)
071228 戻 恥ずかしいな仁王雅治…! 奴はセクシー策士ですからね。はは。ははははは。ちょっと実話とか言わない…元ネタがちょっとだけ体験談なだけです。うぃ。