判ってはいるんだけど。
さっきからローマ字英語のnijo-castle仁王城に見えます。
小文字でjってさぁ…うん、細いからパッと見見えないってか。




「毒されてるなぁ…」


だって仁王にばっかり反応しちゃう。
そして、似たような名前を見るだけでこんな幸せになれるんだから。






「何がじゃ?」

にょっとのぞき込んでくる、顔。

「え…えーと、ぁー…」

何だカッコイイよバカ、いきなり出てくるな!
ドギマギしてしまって、とっさに言葉が出てこない。
言い訳を…早く言い訳を考えろ!

「ほ、ホラ、お城と言ったらジャッカル君かなぁとか、真田君がお殿様って違和感無いなぁとか…
 立海テニス部に毒されてるなって。」

なんとか話をずらして、あはは〜と誤魔化した。


ホントはきっと、毒されてるのは“貴方にだけ”だけど。
そんな事言うのは恥ずかしいし、あながち嘘じゃないから良いよね。








なんて、必死に自己への弁明を考えてたら、雅治から思わぬ一言。




「忘れんしゃい。」




「は?」
「1日くらい、他のオトコの話題を出すな」



雅治はそう言って、薄ピンクの小さな桜の花を指さした。


「俺はあの花見てもさっきの庭見ても、思うのはだけじゃけぇ。



 とらわれとるんよ、お前さんに。」



先ほどまで一方向を指していた腕で、ギュッと抱きしめられる。
少し痛いくらいに、でも優しく。



「ま…雅治…。」
「たまには俺だけにしてくれんか?」



耳元で切なげに囁くのは、反則です。






「たまには、じゃなくていつも雅治だけだよ。」

「…ホントか?」


いじけてむぅっとした顔が、少し幼くて可愛い。
ほら、とらわれまくりなんだってば。











雅治はストレートに言葉をくれたから、教えてあげるね、ホントの理由。


「ね、にお。」
「…ん?」
「いつかお城、作って。名前つけよ?」


仁王って呼ばれて困惑気味な貴方。
屈折して教えたのは、やっぱりちょっと恥ずかしかったから。
でもホントの理由だから、ちょっと難しいかもしれないけど、


早く気付いて。





ちなみにジャッカル君が城〜ってのは声優の檜山さんネタです。 城トークヤバいらしいっすね、檜山さん。 しかし最後判りづらいな…。 仁王のお城から連想、とか…もごもご。 「言い訳がましいんじゃお前は。」 ぎゃっ仁王さん! 「すまんのぅ。まだ旅は続くけぇ、読んでくれると嬉しいきに。」 …だそうで「お前はもう少し反省しろ。」 …スミマセン… 精進します… 男視点も書けるようになりたいです…