もし今、目の前に現れた子供が

未来からやって来ちゃってて、

しかも自分の子供かもしれなかったりしたら…



どうします?







今日は珍しく練習が無いからって、その辺をブラブラしながら一緒に帰ってた。
少しだけ違う(放課後デート出来るという嬉しい点で)けど、まぁいつもの日だった。



なのに少年が…、



「あ!!お父さんお母さんっ


なんて言いながら駆け寄って来ました。


W h y?



思わずだろう、リョーマの繋いでる手が緩む。
後ろを見ても大人の姿は無く同年代がチラホラ見えただけ。


「あっ…」

そして急に立ち止まる少年。


「…何、アレ」
「…小学生?」

対応に困る私達。


だけど、


「えっと、こんにちは!」

ぺこりんと頭を下げる姿に、今度は思わず私の顔が緩む。


「こんにちはw」


リョーマは握る手に力が入る。
…子供に対してなのに。


「お兄さんとお姉さんにしつもんがあるんだけどいいですか?」
「何で?」

機嫌も愛想も悪い。
それ位で拗ねるなよ。


どうにかして機嫌をとろうとしたが、

「しゅくだい!!」

なんて笑顔に意志を吹っ飛ばされる。


「カワイーーっ」
「持って帰れないよ、言っとくけど」
「判ってるよ!!

んー…どういう宿題なの?」

この子の目線にあわせてしゃがむと、

「おか…仲良しの人達にインタビューするの!!」

なんて答え。

「…え?」

仲良しって…カップルって事?


「フーン、最近の小学生って、進んでるね」

こっちはさっきから刺のある物言いばかりだな。

「バカリョーマ!!」
「だってそうでしょ?」

た、確かにそうだけど…言い方があるでしょ!!

でも少年はあまり気に留めてないのか、寧ろ楽しそうに私達を見ていた。




結局私が少年の可愛さに負けて、質問に答える事になりました。











「おかあ…じゃなかった。お姉さんはおと…お兄さんがすきなの?」
「へぶっ…!!」

だからってそりゃ無いでしょ!!

「だってサ、お姉さん?」

さっきないがしろにしたお返しと言わんばかりの笑顔だ。
わざとお姉さんなんて言ったりして、




―確信犯








「きらいなの…?」


私が押し黙ってたのを妙な間と勘違いしたらしく、上目遣いに訪ねてくる。

横では意地悪な笑み。


「…好きだよ…」


観念して言った。
満足そうな、隣の人。




「お兄さんは?」
「愛してる。」
「って阿呆、子供になんて事を…!!」
「嘘言ってもしょうがない。」

明らかにそれだけじゃ無いでしょ…。


「わぁ…やっぱりだ…。

じゃあどこがすき?!
「ぇやー…何処って…」
「全部」
「だからっ!!」


シレっと言うな!
私今絶対顔真っ赤だ。


不覚だけど嬉しい。それが悔しい。








その後も
どっちが先に好きになったの?
とか、
どっちがすきって言ったの?
とか。


流石にお姉ちゃん泣きそうなんだけど…










応答に一息つくとリョーマが突然

「ねぇ、こっちからも質問していい?」

とか言い出した。
リョーマも恥ずかしくてネジ飛んじゃったのかしら。

「いいよ!!」

快諾。かっわいーなーほんとに。


…だからニヤける度に手を握り締めるなって!!






「…名前は?」


あ、そういえば知らない。ていうかお互い名乗って無いな。
なんて呑気に考えて、少年から発された言葉に驚いた。


「えちぜんかなた」
「えちぜ…!?」


すっごい偶然。
そういえば目元とか、髪色とかリョーマにちょっと似てるなぁー…




「じゃあお母さんの古い名字って判る?」

って何聞いてんだコイツは。



この質問の答えは、私を絶句させた。


「んーとね、こないだきいたんだ!!遠藤ママだよ







イッツミー!!




越前かなたで、お母さんが遠藤

ほんとに?ってか、何、それ。







「じゃあ、お父さんの、名前は?」

少し、緊張したリョーマの声。

ってマテ!そん、本…



「リョーマ」



…まじ?






つまり将来私とリョーマは結婚する訳で、
この子は二人の子供な訳で、


うあー何それどうしよう。




「てかちょっ、待っ、」

よく考えたらおかしい!!

私とリョーマの子供が、今、居る?
なななななな何で私達すごく清いよ!?子供が産まれる要素ゼロだよ!
ていうか私産んでないよ!!??









プルルルル…


私のテンパりを遮って、電話がなった。

「?」
「あ、いぬい博士からだ。
もう時間かぁ…」

かなた君はしょんぼりして、私達の方を見ると、


「ありがとうございました!
もう僕お家に帰らなきゃいけないんだ…」
「そ、そうなんだ?」

お家って何処だよ。

っていうか、何。混乱を投げ捨てて居なくなっちゃうんですか!?


「じゃあねちっちゃいおかあさ…
お姉ちゃん!とお兄ちゃん!!」


今ちっちゃいお母さんって言おうとしたよね?


「じゃあね!!」
「あ…」


聞いて、いいのか。
走り去るかなた君。


躊躇ってたら私より先にリョーマが叫んだ。


「かなた、兄弟何人?」

て、それ今何の関係があんの!?

「3にん!!」

「そ。じゃーね。」

しかもじゃあねなの!?

「ばいばーい!」












「行っちゃった…」
「ふぅん…3人、か。」

だから何で数にこだわるの!?


「…ホントに私達の子供なのかな?」
「どうだか。」


「でも博士って…」
「アノ人だよね、きっと。」

いぬい博士
マッドな感じのする、アノ人。


「危なそう…生きて帰れるかな?」
「心配?」
「そりゃ…乾先輩だし…うん。大丈夫だとは思う、けど。」








「…てか、とにかく驚いた。」
「うん。
とりあえず、リョーマみたくナマじゃなかったね。」
「他の二人は判んないよ。」


「ね、信じる?」
「ほんとにそうか?」
「…うん」
「まぁ、信じてるよ。
嘘吐いてる風でもないし。何となくに似てるし。」
「あ、私も思った…」


「とりあえず、本当かどうかなんて未来にならなきゃ判んないよ。
悪い事ではないんだし?

―帰ろうよ、未来の奥様。」

ぎゅって、優しく手を握って、リョーマは笑った。












そして数年後に、産まれた子供の名前は―


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な…長かった…(現在AM2時半・眠い
昨日(になってしまったけど。)去年の書きかけを加筆修正しました。
ケータイに放置しっぱなしだったのを。
減らない未送信メール(笑) 私のケータイの未送信メールは見られたらマズすぎます。


子供の名前とか苗字とか、元々入っちゃっててごめんなさい。
やり方がわかりませn(殴

名前、狙った気は無かったんですが、
かなたと遠藤に…(判る方いらっしゃいますか?・どっちもある意味リョーマです。
遠藤は丁度思いついて(というか浮かんでというか思い出してというか…)、まぁ居るよな、遠藤って。って思ってそうしたんですが、
かなたは完全にノーマークです。実写始まる前ですから。
個人的にかなたって名前が好きなだけで。


何か要は乾博士が連れてきてくれたわけです。はい。


06/10/8


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