「ちねーん!!」


どうもには、気に入ったヤツを構い倒す癖があるらしい。

それが恋愛感情じゃない、なんて当たり前だ。疑うまでもなく、はわんが好きだってもう知ってるし。








だけど。








「限度はある!!」


そう、知念に構うあまり俺が隣に居ないとか、無いだろ。

今だってずっと一緒に話してたのは知念だし。やっとこっちにきたかと思えばのんきにアイス食い続けるし。



俺の叫びを聞いて目をぱちくりさせたが、首を傾げた。


「でもダブルだよ?」


言いながら口元についたアイスを指で拭って舐め取る。

甘い、と呟き笑う姿を可愛いと思ってしまう自分が憎らしい。


「誰がアイスの話なんて言ったさー。」
「じゃあ何。」


溶け出していくアイスをまたペロリと舐め、訝しげな表情だ。

いつもなら事実をあっさり言うなんて普通なのに、なんでだ。

ガキみたいに目も合わせずに、


「アイツばっか見んな」


しか言えないなんて馬鹿げてる。





ぽかんとしていただったが、追って意味を理解したのか、みるみる笑顔になっていく。


「ちょっ、ちねーん!!凜がヤキモチー!」
「だから!!」



結局こうなるのか。

報われなさすぎだろ、と思いながら知念の元に向かうを追いかけた。






アンバランスな思いのベクトル






「どうしよう大好きなんだけど!」
「!?」
「わんに言うなさー…」
「っあ、凜居た…!」



















090301




知念にお兄ちゃんや何でも話せる親友を感じているだけ。
知念の前なら素直に凜が好きと言える。
そこら辺の矛盾はただ単に照れ屋なせい。
判ってるけど何か悔しい凜。
だけど気持ちを聞いただけで嬉しくてたまらなくて。

可愛いな…!
彼女に女王様な凜(ブンちゃんみたいに)も良いけど、彼女にだけあたふたする凜も良いなぁと思う。