その時の私は回想モードに入っていた。
何故なら同じ日直の山本が黒板に落書きを始めてしまったからだ。
そしてその情景が、私が山本に恋をした日にデジャビュしていたからだ。





「なぁ。なーぁってば。」



あまりにも入り込みすぎていたのかもしれない。
これが去年のあの日なのか今日この時なのか判らなくなって、頭がぼんやりとしてしまって。


話しかけてきてるのは去年の山本?今の山本?





「大丈夫か?」
「あぁ、うん…」




去年は、二人きりのオレンジの教室に心臓がバクバクいってて上手く喋れなくて、
でも山本はこんな状況でも気にしないんだろうな、なんて思ってた。







だからだ。





「な、お前って、好きなヤツ居んの?」



フォーカスのあってない頭と眼は、この言葉によって、想像の山本を正像だとみなした。





「やまもと」






彼というよりは彼の居る風景を見ながら。

素直にポロリと零してしまった。








「…俺?」
「うん。やまもと。」






呆気に取られてる山本が意外で、
どうしたんだろ、って考えてたら眼の前が真っ暗になった。


何これ、苦しいんだけど。




「俺もすげー好き。」



私は山本の腕の中に居た。







ぼんやりした中で、
私の想像力って意志の外でも活動するんだな、って思った。

少し醒め始めてる頭がそれを疑い始めてて、
だけど醒めきらない心が、

これが本当ならいいのに。

って呟いた。




夢から醒めた後は






(更新07/2/25 書き上げ07/1/26) 戻る なんでしょう、ぼんやりしててうっかり告白、みたいなものが書きたかったんで すが。 リアルとヴァーチャルの混濁? 書いてる時私がめちゃくちゃ眠かったのもあるんだろうか。 すげぇふあふあしてますな。(ふあふあってなんだ …って再開第一弾のクセに名前変換無くてすみません…