すっかり暗くなってしまった校舎。 ゴタついたせいで、はずっと応接室に置き去りだ。 時計の針は7と8の間と、6を指していている。 7時半、生徒はとっくに学校を出ていないといけない時間。僕には関係無いけど。 応接室にも明かりはついていない。 …やっぱり帰ったよね。 なんて落胆しても仕方無い。帰っているのが正しいんだから。 ドアノブに手を伸ばす。 カチャンと言う小さな音。 「…ん…」 「え。」 小さく聞こえた声はまさか、でも。 そっと声の方に近付くと、ソファーの上で身じろぎして廊下からの光を避けている彼女が居た。 眠っているみたいだけど。 僕のために、何時間も、この場所で。 携帯をしっかり握りしめてすぅすぅと寝息をたてるは、やっぱり可愛くて。 愛しいって、気持ち。 「アリガト。」 柄にも無い感謝を呟いて、頭をくしゃっと撫でた。 「…ひばり。」 その行為にか、声にか判らないけど、起きた彼女は一番に「おかえり」と言い微笑んだ。 「帰ろうか。」 「うん。」 当たり前だと思ってた一緒に居る事が実は彼女に支えられていたと知って、微かな罪悪感と大きなありがとう。 今日は手を繋いで、少しゆっくり帰っても良いよね? それが僕なりの感謝の気持ち
戻 1周年記念!ありがとうございました!