アイツの家に向かう途中、電話。 ザーザーと遠くで音がする。 「もしかしてお前ン家の方、雨?」 『うん。』 電話越しに聞こえるのは、いつもよりも嬉しそうな声。 「何か良い事あったのか?」 『え、判るの?』 「おぅ。」 『すごいね〜武。』 「まぁな。」 判んない訳、無いだろ? 『えぇっとね、雨だから。』 「え。髪ハネるからヤなんだろ?」 『あーそれは言うな。ノーコメ。 ―だってさ、武が包んでくれてるカンジがするんだもん。 何だろ?武の化身?』 な〜んて、変? と最後に付け加えて笑った。 「今すぐ行って包んでやっから、待ってろ。」 雨じゃなくて俺。 本物の俺。 守護の雨にすら嫉妬するって言ったら、お前は笑う? 戻 武くん参上です。 私は嫉妬する武くんが好きらしいです。