「傘無いし…。」
「傘無くても貸さない…プッ」

ため息をこぼすコイツの隣でパンっと傘を開く。

「寒ッ!!
しかも持ってるの?!」
「うん。貸さないけど。」

念を押すようにもう一度、言う。

「いやぁそこは濡れて帰ろうよヒカル君。
可愛い女の子に貸しとこうよ。」
「だーめ。」
「けーちサード」
「充分サドだよ、お前も。」

運動部員しかもレギュラーにそれ言うの?
結構酷だよそれ。

だけどあっちはお構い無しで、むくれてそっぽむいた。

「あぁもういいよ春兄に入れてもらうから。」
「それもだめ。」

何でそうなるんだろ。
しかもよりにもよってバネさん…

知らないヤツよりタチ悪ぃ。


「…私に風邪引いて死ねと?」

だめって言い続けられて不機嫌そう。
でもさ、

「やれやれ。」

少しは考えてくれ。
一緒に居るんだから。

手をつぃと引っ張って引き寄せる。

「入るでしょ?」
「家ぎゃ「入れよ。」
「ヒカっ…」


寒くないように抱きしめて帰ってあげるから、
誰のでも無く、俺の傘に入ってよ。


だから、

「傘は貸さない。」










ダジャレ…ダビデでした!