「雨だねー」 君が窓にべったり貼り付いて離れない理由、ちゃんと判ってるよ。 肩震わせて、鼻すすってて、気付かないと思ったかい? 「ずーっと降っててくんないかなぁ」 「無理じゃない?」 「…わかってるよ。」 どうして心に嘘をついて、何でもないような声を出すの? 「あれ、ちょっ、サエちゃん洗濯物干してるじゃん!!」 「いーよ。」 「ダメだよ!私取り込んで…」 「こっちの方が、土砂降りだから。」 手を捕まえて、引き寄せて。 腕の中に閉じこめる。 「雨が酷くて、何の音も上手く聞こえないから。」 沢山、泣いて良いんだよ。 だから雨上がりの空みたいに、きっと晴れて笑って。 戻 サエさんでした!