コイツらに振り回され続けてるせいで、
“ろくろ”の陶芸教室
が一瞬
“むくろ”の陶芸教室に見えました。
目眩がする…









「ろくろ体験があるれすよ!」

ちょうど犬も同じトコに目をつけたらしい。
ちっくしょう何だお前そこはスルーしとけよ!!

腹の底でものすごく毒づいて、しかし平静を装って話をあわせる。
私ハリウッド目指せるんじゃない?ってくらい演技者だと思う。

「あ、ホントだ〜面白そうだねって骸いねぇし!?
あのスットコドッコイまた勝手に…」

次から次へと…
さっきお土産屋さんの試食でケチつけまくったばっかりだろうが!
ケースが空になるまで食べたくせに…(しかも買わない・お約束。


「、やるなら入ろう…めんどい」
「えっ、ちーくん今部下にあるまじき事言ったよ確かに骸はめんどいけど!」
「意味違う…」
「でもね、アイツを見捨てると後でどんな苦労が待ち受けて居るか判らないんだ
よ?
だから探さないとウザい事に…」
「骸様、先に行っちゃってるから。」


あぁもう死ねよアイツ。




かくして私は、特にやりたくない陶芸にいそしむ事になったのである。











「ようこそ、むくろの陶芸教室へ!」


中に入ると、爽やかな笑顔で迎え入れてくれた…骸。
店員であったであろうヒトが、積み上がってスミに置かれていますけど?
何ですか、これ。




ていうか…

「ろくろだから!!ろ・く・ろ!」

私コイツと同レベルですか?
消え去りたい…




「『初めてなの…』でも手取り足取り優しく教えますよ!」
「だいじょーぶですかー?」


嬉々とした骸は無視。うざい。
気を取り直して(店員さんは気を取り戻して)、陶芸を開始する事にした。






…んだけど、さぁ。


「ぎゃー犬!だめ!!粘土投げるな!」
「ぐちゃぐちゃになれーー♪」


「ちーくんは何でカタマリのまんまなの!?」
「めんどい…」


「…手つきが卑猥ですよ。絶対に僕のおかげですクフフ…。
今晩も練習しましょうね?」





各々、やりたい放題だ。
あぁ、頭が痛い…
引き気味の店員さんの目線も痛い…
私は何もしてないのに!!









しかも作り終わった器、恐ろしいほどキレイなんですけど!
何の差?何の罰?


「ヘタクソー」
「性格出る…」
「失礼ですよ2人とも。
個性ですから、ね、!」





コイツら殴りてぇ…!!






「まぁまぁ楽しかったですね。」
「俺は投げてる方が面白かったれす。」
「手が汚れた…」


口々に勝手な事を言って店を出て行く奴ら。


追いかける私におじさんは、
またのご来店を、とは言ってくれませんでした…









実際陶芸楽しそうですよね。