「だから仁王君、真面目にやりたまえー!!」
「プリッ」


そう、それはいつもの会話。
だけどもう…

「ぐッ…」

私の頭は支配されている。



二人は (前編)



ガシャンとフェンスにぶつかってしまった。

「は?」
「へ?」

うわっ、めっちゃこっち見てる!!

「どーしたんじゃ、
「立ち眩みですか?」
「イイエ何でも!!」


何でもって言ってるのにフェンスにわざわざ駆け寄って来てくれる仁王。

「本当に、か?」

伺うように、私を見る。



―心配してくれてありがと仁王。
すごく嬉しい。
嬉しいんだけど。

「イエーイ大丈夫!!心配ナッシン問題ナッシン!!」



今貴方の顔は見れません。



「ごめん仕事あるから!!ありがと!!」
走って逃げた。


「また何かやったんですか、貴方。」
「いんやー…今回は覚えが無い」








どうしよう、あんなに露骨にやっちゃいけなかったよね。
超疑ったよね、あれ。
「まずったー…」








「よっ。大丈夫か?」
部室に入ると、丸井が笑ってた。

「丸井…あたしもう無理かもしんない…」

心底駄目な気がして仕方がない。

「ふぅん、そんなにキツいか。」
「声は愚か顔も駄目みたい…」

「そりゃ重症だなぁ。でも仕方無いよな、俺もだし」

そう言って、丸井は失笑する。

「とめられねぇよ、ココロだけは。」


「どうすればいいのかな…、こんな状態じゃ、仁王と一緒になんか居られないよ 。」


だって…









「どういう事じゃ?」

バタンとドアが開いた。
話合っていた話題の彼が、入って来た。


「わっつ仁王!?」

当然焦った。

「丸井と、随分妖しい感じやないか。」

ジリジリと近寄ってくる仁王。
怖い…

「あっ、そ、そのっ…」
「移り気か?」


いつもと違うオーラを見せる彼に、私は少し怯んだ。




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あれぇ、うっかり前後にしてるぜこいつー。
すこしキリが良かったのですよ。

という訳で後半もあります。


後編。


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